【色彩検定1級1次】色彩と文化〜西洋〜
■古代ヨーロッパの色彩■
⭐️色彩の誕生
紀元前2万年頃の、フランスのラスコー。
紀元前1万8千年頃の、スペインのアルタミラ。
近年では紀元前6〜4万年前頃に描かれた洞窟壁画も発見されたり、すごく前から色彩があったのがわかっている…!!
[土に含まれる赤色顔料とか木を燃やした木炭]+[獣指や草木の汁]を混ぜて、色んな色を作ってた。
⭐️色彩の意識
ブレント・バーリンとポール・ケイの「基本色彩語」。
白・黒から始まり、赤・緑、黄・青と、段階的に色彩の語彙が増えるというもの。
文化によって変わるので、
日本の場合は「赤・黒・青・白」
中国では「青・赤・白・黒・黄」
(↑日本と比べて黄色が増えてる😲)
⭐️古代の文化と色彩
古代ギリシャでは、紀元前8世紀頃にはすでに色彩の表現がある叙事詩があった!
そして紀元前5〜4世紀頃、ソクラテス、プラトン、アリストテレスなどの哲学者が、色についても考察を残してる。
■中・近世のヨーロッパの色彩■
🌠色彩文化の形成と発展
紀元前から、古墳や墓の壁画や装飾に、顔料。
(水に溶けない!)
お洋服には、染料。
(水に溶ける。サンズイだしね。)
染料は、最高級のフェニキア産の貝から取れた紫=貝紫🐚が、なかなか採れないため高価だった。
希少だと高価、など色によっての価値などが作られた。
🌠技術と色彩
大青(たいせい)
=ウォード、アブラナ科の植物。藍色の色素を含んでる。
この大青で青色染めを行っていたゴート族などが、ローマ帝国を治めた。
そのうちローマも衰退するが、12世紀。
テオフィルスによる著書には油絵具製造法が書かれている。また宗教画が多く描かれたりと、色彩の文化は次第に熟してきた。
🌠ルネサンスと色彩文化の発展
インドから染色力のあるインディゴ。
アジアから発色の美しいウルトラマリン。
これらの輸入などで、聖母マリア様の服が青に定められたりした👕
ルネサンス時代にはウルトラマリンの青が好まれて、レオナルド・ダ・ヴィンチなどがテンペラやフレスコや油彩の技法などで使った🖌
多くの画家はウルトラマリンは高価で使えず、代わりにアズライトを使った。
後にヨハネス・フェルメールもウルトラマリンを使った。
➡︎かつて青は、キリスト教以外が染色や入れ墨に使ってた色。
➡︎ウルトラマリンの人気で、聖なる色に変化。
ルネサンス時代には、メキシコ🌵から、サボテンに寄生する「コチニールカイガラムシ」を原料とする赤色🟥が流入。
今までの赤とは違う、鮮やかで褪色しにくい赤。
めっちゃいいじゃん!となり、高位の聖職者の服に使われる。
🌠光と色彩
カラヴァッジョや、ラトゥールなどが有名な。
バロック絵画における、「キアロスクーロ」と呼ばれる、明暗や濃淡の差異によって奥行きや立体感を表現。
ルネサンス時代以降、知識と技術はどんどん発展。他国との交流から、更に発達。
1,700年代には、ドイツの錬金術師ヨハン・ディッペルや、ヨハン・ディースバッハによって、合成顔料の「プルシアンブルー」が開発。
➡︎日本に輸入され、ベルリンの青=「ベロ藍」
➡︎葛飾北斎の浮世絵にも使われた。
■近代ヨーロッパと色彩学■
💫色彩論的知識の発展
ヨハネス・ケプラー⇨数学的
クリスティアーン・ホイヘンス⇨光の波動説
人類が色彩を科学的に捉えるようになった。
イギリスのアイザック・ニュートンの「光学」⇨太陽光をプリズムによって分光。
ドイツのヴォルフガング・ゲーテの「色彩論」
⇨色相環の提示、生理的な色彩の知覚。補色残像の発見。
色彩の知識の基礎が作られた👏
💫色彩論の深化
イギリスのトーマス・ヤング
ドイツのヘルマン・ヘルムホルツ
⇨色光の三原色(赤緑青)を検証。
ジェームス・マックスウェル
⇨色光の三原色をカラー写真へ応用。
ドイツのエヴァルト・ヘリング
⇨反対色説の提示。
💫工業的発展と色材の増加
1,826年、人口のウルトラマンを開発!
見つけた人⇨フランスのジャン=バプティステ・ギメ🙋♂️
色材として使われる+黄ばんだ天然素地を白くするのにも使われた。
1,856年、世界初の合成染料モーブを発見!
見つけた人⇨ウィリアム・バーキン🕺
貴重だった紫が手軽に使え、紫が高貴な色ではなくなった。
1,859年、マゼンタ。
1,869年、アイザリン。
1,897年、合成インディゴ。
天然ものから化学的に合成されたものに変わっていくにつれて、染料用に育てられていた植物が減り、空いた土地が農地や牧場、工場になったり!
社会的変化も起きた😳
💫色彩の調和
ミシェル=ウジェーヌ・シュヴルールさん。
1,839年、「色彩の同時対比の法則とこの法則に基づく配色について」にて📚
類似・対比の考え方を提示!
もともと化学者であり織物工場の名誉工場長で、顧客からのクレームに悩んで、配色や調和の問題を考察して生まれた考え方だけど。
この考え方が、画家達に影響を与えた。
💫色彩の変化
画家の苦悩👩🎨
昔は天然の顔料で、混色が難しかった。。
化学合成顔料ができ混食しやすくなると、今度は減法混色で色が暗く。。😨
そこで参考になったのが、アメリカのオグデン・ルードが1,879年に書いた「現代色彩論」!
新印象派の画家、ジョルジュ・スーラやポール・シニャックらは、加法混食の原理を活かし、点描などで暗くならない工夫をした。
パウル・クレーは形や色彩の形態表現を追求。
色材が増加する事で、色彩について深く探求する事が可能に🙆
💫新しい色の意味
19世紀以降、顔料が増加。社会変化ももたらした。
・チューブに入った絵の具はすぐに使えるので、
⇨絵画は工房制作から個人制作へ。
⇨学校教育でも使えるように。
・希少だった色が誰でも使えるようになり
⇨高位・富貴の象徴だった色を庶民が使えるように。
💫表色系と色彩
ルードの現代色彩論と同じ頃。1,879年、ルードと同じくアメリカ。
アルバート・マンセルによるカラーオーダーシステム。
1,923年、ドイツ。
ヴィルヘルム・オストワルトによる「色彩学」。
日本ではPCCS。
現代は、とても多彩に、なりました。
(私、心の川柳😛)